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現代のビジネス環境において、プロダクトのUI(ユーザーインターフェース)デザインとUX(ユーザーエクスペリエンス)設計は、製品やサービスの成功に不可欠な要素となっています。デジタルプロダクトに限らず、物理的な製品やサービスにおいても、ユーザーとの接点であるUIや、ユーザー体験全体を設計するUXは、ブランドの印象や顧客満足度に大きく影響します。 UIデザインは、ユーザーが製品やサービスと対話する際の視覚的および操作的な要素を指し、UX設計は、ユーザーが製品やサービスを利用する際の体験全体を設計するプロセスです。これらの設計が優れているかどうかは、ユーザーの満足度に直結し、ひいては製品やサービスの成功に大きな影響を与えます。UI/UXデザインが適切に行われていない場合、どれほど優れた機能を持っていても、ユーザーはその価値を十分に享受することができません。 UI/UXデザインにおいて、最新のデザインツールや技術の進化は、デザイナーにとって不可欠なものです。例えば、FigmaやSketchなどのデザインツールは、リモートワークが増加する中でチーム間のコラボレーションを容易にし、リアルタイムでのフィードバックや修正を可能にしています。また、Adobe XDのようなツールは、プロトタイプ作成からユーザーテストまで、ワンストップで対応できる機能を備えており、デザインプロセスを効率化しています。 さらに、Webデザインにおけるフロントエンド開発の進化も無視できません。ReactやVue.jsなどのフレームワークは、UIコンポーネントの再利用を容易にし、効率的な開発を可能にしています。これらの技術は、デザインと開発の橋渡しをするデザインエンジニアリングの役割を強化し、デザイナーとエンジニアがより密接に協力して高品質なプロダクトを迅速に市場に投入することを支援します。 デザインエンジニアリングは、デザインとテクノロジーを統合する分野であり、ユーザーにとって直感的で魅力的なインターフェースを作り上げるために、デザイナーとエンジニアが協力するプロセスです。この分野では、技術的な知識を持つデザイナーや、デザインに精通したエンジニアが求められています。これにより、デザインと開発の間に存在するギャップが埋められ、よりスムーズなプロダクト開発が可能となります。 また、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)のような新興技術の登場により、UI/UXの世界も劇的に変化しています。これらの技術は、ユーザーとの新しい接点を創出し、これまでにない体験を提供する可能性を秘めています。特に、教育やエンターテインメント、医療などの分野では、これらの技術を活用したインターフェースが急速に進化しており、デザインエンジニアリングの重要性が一層高まっています。 ROUTE06が提供するUIデザインとUX設計に関する論考は、最新のツールや技術、デザインエンジニアリングの進化を取り上げることで、企業が競争力を維持し、ユーザーに優れた体験を提供するための実践的なインサイトを提供しています。これにより、デザイナーやエンジニア、そしてプロダクトマネージャーは、変化する市場のニーズに対応しながら、優れたプロダクトを開発するための知識とツールを手に入れることができるでしょう。
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Webデザインとタイポグラフィ
「Webデザインの95%はタイポグラフィである」[^1]、NHKやWikipediaなどの数多くの大手クライアントの情報デザインを手がけてきたデザインファーム iA (information Architects) のCEOかつデザイナーのオリバー・ライヒェンシュタインがデザイナーたちにそう呼びかけたメッセージをご存じでしょうか。タイポグラフィは書き手と読み手の間に介在して「読む」という体験をより向上させるための技術であり、あらゆるWebコンテンツの大部分は「言語」によって構成されています。現代では膨大なコンテンツのなかで印刷物としての活字よりも、ディスプレイの文字に触れる機会や絶対量が増加してきています。印刷に比べて使用できるフォントが少なく、表現の範囲が限られているという理由により、これまでWebタイポグラフィが専門分野として注目される機会は多くありませんでした。昨今ではさまざまな領域でのデジタルトランスフォーメーションが加速しているように、デジタルデザインに関わるテクノロジーや理論も絶えず進化しています。本記事ではテクノロジーの進化とともに重要度が増していくデジタル時代におけるタイポグラフィタの歴史とその可能性についてご紹介します。
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クリエイティブとテクノロジーを繋ぐデザインプラットフォームFigma
印象的でシンプルな図形とカラフルな配色のメンフィススタイルのグラフィックが目を惹くインターフェースデザインツールFigma(フィグマ)は、デザイナーだけでなくプロダクトマネージャーやエンジニアなどにも幅広く利用され、独自の創発的なエコシステムを構築することで、ユーザー数を急拡大してきました。本記事執筆時点でのユーザー数は約400万人を超え、GoogleやMicrosoft、New York Timesなどの大手企業でも利用されており、2022年9月にはAdobeによる200億ドル(約2.9兆円)での巨額の買収提案を受け入れたことでも話題になりました。本記事では共同創業者であるディラン・フィールド最高経営責任者(CEO)とエヴァン・ウォレス兼最高技術責任者(CTO)が生み出したFigmaのこれまでの成長の背景と今後の可能性についてご紹介します。