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コーポレートベンチャリング

コーポレートベンチャリング(Corporate Venturing)とは、大企業が新しいビジネスモデルや技術を開発・発展させるために、スタートアップ企業や社内ベンチャーに投資・支援する戦略を指します。この手法は、大企業がイノベーションを推進し、変化の激しい市場環境に対応するための一つの手段として広く採用されています。 コーポレートベンチャリングの基本的な仕組みは、大企業がスタートアップ企業に資金を提供し、その見返りに株式を取得するというものです。この関係により、大企業は新たな技術や市場機会を獲得でき、スタートアップは資金と共に大企業のリソースやネットワークを活用することが可能となります。また、社内ベンチャーとして、大企業の内部で新しい事業を立ち上げることもコーポレートベンチャリングの一形態です。これにより、大企業は内部の人材や技術を最大限に活用し、リスクを取りながらも迅速なイノベーションを追求できます。 コーポレートベンチャリングの成功事例として、Googleの親会社であるAlphabetが設立した「GV(旧Google Ventures)」が挙げられます。GVは、様々な業界のスタートアップに投資を行い、新しい技術や市場のトレンドを取り込みつつ、Googleの既存事業とシナジーを生み出すことに成功しています。また、社内ベンチャーの成功例としては、3Mが開発したポストイットが有名です。これは、社内のリソースとアイデアを結びつけ、新たな市場を開拓した例です。 一方で、コーポレートベンチャリングにはリスクも伴います。特に、大企業とスタートアップの文化や経営方針の違いから生じる摩擦が課題となることがあります。スタートアップは通常、迅速な意思決定と柔軟な経営が求められる一方で、大企業は複雑な意思決定プロセスや官僚的な構造を持つことが多いです。この違いを乗り越え、効果的に協力するためには、双方がオープンなコミュニケーションを維持し、互いの強みを活かす姿勢が必要です。 また、社内ベンチャーの場合、企業内での支持や資源の確保が課題となることがあります。特に、大企業の中で新しいアイデアやプロジェクトを推進するためには、既存の組織構造や文化を変革する必要があることが多く、それにはリーダーシップと組織全体の協力が求められます。 今後、コーポレートベンチャリングは、さらに多くの企業にとって重要な戦略となるでしょう。特に、技術革新のスピードが速まり、従来のビジネスモデルが通用しなくなる中で、大企業が柔軟に市場の変化に対応するためには、スタートアップとの連携や社内イノベーションの推進が欠かせません。コーポレートベンチャリングを成功させるためには、リスクを適切に管理しながら、新たな価値を創造するための強力なパートナーシップを築くことが求められます。

"長期的な視点"によって加速する、大手企業のデジタル・トランスフォーメーション|ジャフコ グループ井坂省三氏

Spotlight

"長期的な視点"によって加速する、大手企業のデジタル・トランスフォーメーション|ジャフコ グループ井坂省三氏

デジタル・トランスフォーメーション(DX)をはじめとした大手企業の変革に必要なことは何か──そのポイントをベンチャーキャピタル(VC)のパートナーの視点から語っていただく連載「VCから見た、大手企業の変革論」。第4回はジャフコ グループ パートナーの井坂省三さんにお話を伺いました。井坂さんは「長期的な視点を持つことが大切」と言います。大手企業においてDXを推進していくポイントは何か、そしてスタートアップ側が大手企業との連携で意識すべきことは。井坂さんの大手企業変革論に迫っていきます。

"デジタル先進国" 東南アジアに学ぶ変革のヒント。問われる「経営者の覚悟」|ジェネシア・ベンチャーズ 田島聡一氏

Spotlight

"デジタル先進国" 東南アジアに学ぶ変革のヒント。問われる「経営者の覚悟」|ジェネシア・ベンチャーズ 田島聡一氏

デジタルの普及によって産業の垣根が低くなる中、新たな事業機会と経済価値を創出するため、これまで日本経済を牽引してきた大手企業の事業や組織に変革が求められています。大手企業が変革を進めるために必要なことは何か──そのポイントをベンチャーキャピタル(VC)のパートナーの視点から語っていただく連載「VCから見た、大手企業の変革論」。第2回はジェネシア・ベンチャーズ代表取締役/General Partnerの田島聡一さんにお話を伺いました。田島さんは大手企業の変革には「目指す姿を明確にすること、そしてそれらを実現する経営トップの覚悟が必要になる」と言います。JVCA(日本ベンチャーキャピタル協会)の副会長及び大企業連携部会の部会長も務められている田島さんの大手企業変革論に迫っていきます。

大手企業、変革に必要なのは「リーダーシップ・キャピタル」|Delight Ventures 南場智子氏

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大手企業、変革に必要なのは「リーダーシップ・キャピタル」|Delight Ventures 南場智子氏

デジタルの普及によって産業の垣根が低くなる中、新たな事業機会と経済価値を創出するため、これまで日本経済を牽引してきた大手企業の事業や組織に変革が求められています。大手企業が変革を進めるために必要なことは何か──そのポイントをベンチャーキャピタル(VC)のパートナーの視点から語っていただく連載「VCから見た、大手企業の変革論」。初回はデライト・ベンチャーズ マネージングパートナーの南場智子さんにお話を伺いました。 南場さんは大手企業の変革には「リーダーシップ・キャピタルが必要」と言います。リーダーシップ・キャピタルとは何か。また大手企業が抱える現状の課題とデジタル化のポイントとは。南場さんの大手企業変革論に迫っていきます。