ROUTE06

Letter

ステークホルダーの皆様へ

2022-6-30

遠藤 崇史 / Takafumi Endo

シェア

この数年間でデジタルトランスフォーメーションというキーワードがメディアや資料で取り上げられる機会が急激に増えました。業界規模に関わらず、あらゆる企業で多様なDXへの取り組みが推進されるなかで、足元では業務効率化の観点だけでなく、新しい事業や売上を創出するためのデジタル技術の活用についての議論も活発になっています。デジタルソリューションやソフトウェアサービスを提供するベンダー企業にとってもビジネス機会が大きく広がっており、スタートアップから大手企業までベンダー各社は人員増強に向けた投資を加速させています。

インターネット及びテクノロジー銘柄を中心とした新興株式市場の動向が不安定ではあるものの、各社のデジタルトランスフォーメーションの取り組みは未だ道半ばであり、本格的なシステム実装に取り掛かり成果が見え始めるのはまだまだこれからといった状況です。弊社においても2020年の創業以来、顧客企業におけるDXパートナーとしてデジタル事業づくりをご支援させていただいており、その変化を日々現場でも実感しています。

資金調達/シリーズAラウンドの背景

そのような事業環境のなかで、本日ROUTE06では、ALL STAR SAAS FUNDをリード投資家として、ジャフコ グループ、デライト・ベンチャーズ、ジェネシア・ベンチャーズ、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタルを引受先とする約15億円の第三者割当増資(シリーズAラウンド)を行いました。より顧客企業に利便性の高いサービスを提供するために、エンタープライズ向けビジネスAPIプラットフォーム「Plain」の開発及び社内の組織体制を強化するための投資を積極的に行っていく方針です。

また株主各社との連携を強化することで大手企業からスタートアップまでより幅広い企業群とのネットワークを構築し、特定企業グループのみならず、多様なパートナーとの協業による事業創造をはじめとした機会創出を行っていくことも、私たちがステークホルダーの皆様に提供できる価値の一つであると考えています。創業初期の弊社シードラウンドにおいて、デライト・ベンチャーズ及びジェネシア・ベンチャーズから資金調達を実施した時点では、エンタープライズシステム領域においては老朽化した基幹システムにかかる「2025年の崖」問題が一つの重要な論点ではありましたが、引き続きそのような課題の解決にベンダー各社が向き合いつつも、足元ではユーザー企業とベンダー企業のパートナーシップのあり方など、より具体的な推進体制の議論にも注目が集まっています。

経済産業省の公開する最新の「DXレポート2」(デジタル産業の創出に向けた研究会の報告書)においては、「ユーザー企業とベンダー企業の共創の推進」の必要性が強調されています。ベンダー企業の在り方としてもラン・ザ・ビジネス型(保守運用)主体からバリューアップ型へ、アジャイル型の開発等によって事業環境の変化への即応を追求することで、ユーザー企業とベンダー企業の垣根が無くなっていくという産業の未来について提起されています。そういった状況こそ、弊社が目指す世界であり、新しい株主の皆様のご協力を得ながらも、その流れを加速させられるよう、尽力していきたいと考えています。

ROUTE06のこれから

プロダクトについて

「Plain」とはB2C及びB2Bに関わらず、オンライン・マーケットプレイスをはじめとした様々なデジタル事業の垂直立ち上げ及び継続的なサービス改善に貢献するバックエンドシステムです。フルスクラッチのシステム開発よりも低コストかつ短期間で実装できると共に、ノーコード/ローコードのソフトウェアサービスよりも柔軟性のUX及び業務設計が可能であり、アジャイル開発を前提とした機能群及びインフラが用意されています。昨今ではエンタープライズソフトウェア領域においてもUXの優先度が高まっており、より良い顧客サービスを提供するためには業務フローや体制が柔軟であることが求められるため、そういった大手ユーザー企業の需要や体制の変化に対応するために生まれたプロダクトです。

1.ヘッドレスアーキテクチャ / Headless architecture

ビジネス用途や顧客価値に応じて自由なユーザー体験及び業務フローを設計できるだけでなく、デザイン性の高いユーザーインターフェースを実装可能

2.オーケストレーション / Orchestration

複雑かつ個別性の高い事業ドメインにおけるデジタルサービスでも、運用及び関連業務の遂行に必要なシステムインフラからユーザーインターフェースまでワンストップで構築可能

3.データプラットフォーム / Data platform

システムリリース直後から高度なデータサイエンスやマーケティングオートメーションなどに活用可能なデータ基盤及びビジネスインテリジェンス機能を利用可能

オンラインマーケットプレイス(B2C/B2B)、受発注プラットフォーム、OMOストア、クラウドEDI、ビジネスマッチングプラットフォームなどの複雑な業務オペレーションやデータ連携が求められるデジタル事業において導入メリットが大きくなっています。店舗や工場施設のようなリアルアセットを活用したデジタルプラットフォームサービスを立ち上げたい小売・製造・不動産業や国内外での取引先ネットワークを活用したマッチングプラットフォーム事業を立ち上げたい流通・仲介業など、様々な業界の事業DX案件でPlainの導入及び検討が進んでいます。今後データ基盤を中心として機能拡充や業界固有の機能カスタマイズへの対応などに力を入れていくことで、顧客企業におけるデジタル事業立ち上げのスピードや改善速度の改善に貢献していきたいと考えています。「Plain」の事業としては今後5年間で契約数100件以上を目指します。

組織について

ROUTE06では創業3年目に入った節目として会社のミッション・バリューを刷新し、新たにパーパス(会社の存在意義)及びクレド(組織のあり方)を策定しました。パーパスを「Define the route / 未来への道筋を描く」と定め、複雑な事業課題の解決に向き合う大手企業の変革者のDXパートナーとして、最新のデジタル技術及びシステムインフラの提供とデジタル事業立ち上げのプロフェッショナルチームによる支援を通して、大手企業の既存資産を活用した新しい事業機会と経済価値の創出にチャレンジしていくことを明文化しています。またクレドについては「Be a disruptor / 優しい変革者であり続けよう」とし、あらゆるステークホルダーに対して優しくなめらかに変革の熱量を伝搬させられるような組織となることを目指しています。

そのような前提のもとで、社員及び取引先関係者の方々がこれまで以上に各々の強みを発揮でき、また成長機会にあふれる環境を構築するために、シリーズAラウンドでの調達資金を積極的に投資していきます。より良い顧客サービスを提供するだけでなく、デジタル人材が不足している業界環境のなかで、一人でも多くのプロフェッショナル人材を輩出できるような企業となることも弊社が目指すべきミッションの一つであると考えています。

1.非同期で働きやすい環境

全社ワークスペースとしてGitHubを活用し、SlackやFigmaなどのオンラインコラボレーションツールを駆使することで非同期を前提とした働きやすい環境構築を追求します。入社時に付与する20日の年次有給休暇のほか、SickLeave、リラックス休暇や育児休業給付金上乗せ手当など、制度を活用することで最もパフォーマンスが発揮される働き方を自ら選択できるように設計しており、それぞれの人生を妥協しないための制度を今後も拡充していきます。

2.人材育成

新卒採用を視野に入れ、プロダクト開発の技術向上をはじめ、個々人が今後のキャリアに生かせるような学びの機会を後押しする研修支援等を拡充します。また、オンボーディングを含めた各種ガイドラインやプロジェクトを通して得られた学び・知見などの社内ドキュメントをGitHub上に資産化し、誰もが必要なタイミングで必要な情報を得られることはもちろん、フラットに改善提案を行うオープンソース文化の推進と能動的に学び合える組織環境を目指します。

3.セキュリティ

設立初年度より上場企業水準の信頼性とスタートアップ水準のアジリティの両立を目指し、モバイルデバイス管理(Jamf Pro)等を導入するなど情報管理体制に力を入れてきました。今後もコーポレートエンジニアリングチームの体制強化に取り組むほか、2022年度内にISMS認証等の取得に加え、将来的なSOC2+報告書水準の内部統制の実現に向けた投資を行っていきます。

今後5年で現在の約7倍にあたる200名規模の組織となることを目線としながら、リモートファーストな体制構築にこれまで以上に力を入れていくことで、国内外からより多様な人材が集まる土台を構築していきます。海外ではGitLab社のように数千人規模の従業員を要しながら、リモートファーストでのエンタープライズソフトウェア開発を実施している会社も散見されるようになりました。ROUTE06では大手企業の先進的なDX案件を支援する会社である以上、自分たち自身が最もDX化された組織を目指し、会社全体の思想や仕組みをアップデートし続けるべきであると考え、新しい働き方にも積極的に挑戦していく方針です。

上記の通り、今後プロダクト及び組織への投資を加速させることによって、ステークホルダーの皆様にとってより価値のある企業となるべく、引き続き最善を尽くして参ります。

資金調達エンタープライズplain働く環境

著者について

遠藤 崇史(えんどう たかふみ)。東北大学大学院情報科学研究科を卒業後、株式会社日本政策投資銀行、株式会社ドリームインキュベータを経て、株式会社スマービーを創業、代表取締役CEOに就任。アパレル大手企業への同社のM&Aを経て、株式会社ストライプデパートメント取締役CPO兼CMOに就任。株式会社デライトベンチャーズにEIRとして参画後、ROUTE06を創業し、代表取締役に就任。


新着記事

Platform

大手企業によるデジタルプラットフォームへの取り組み

インターネット網の整備とパソコン、スマートフォン、その他IoTデバイスの普及によって数多くのデジタルプラットフォーム企業が台頭してきました。プラットフォーム企業はデジタルサービスを通して圧倒的なコンテンツ数とユーザー規模に急成長し、従来のスタンドアローン型のプロダクトやサービスを提供する企業に比べて資本市場から高いこともマルチプルで評価されています。

詳細