中島 馨 / Kaori Nakashima
中島 馨(なかしま かおり)。美術・デザイン関連の大学を卒業後、ファッション業界のクライアントを中心にEC事業に携わったのち、株式会社ROUTE06に入社。UIデザイン、UX設計、クリエイティブデザイン業務に従事。
Design
Webデザインとタイポグラフィ
「Webデザインの95%はタイポグラフィである」[^1]、NHKやWikipediaなどの数多くの大手クライアントの情報デザインを手がけてきたデザインファーム iA (information Architects) のCEOかつデザイナーのオリバー・ライヒェンシュタインがデザイナーたちにそう呼びかけたメッセージをご存じでしょうか。タイポグラフィは書き手と読み手の間に介在して「読む」という体験をより向上させるための技術であり、あらゆるWebコンテンツの大部分は「言語」によって構成されています。現代では膨大なコンテンツのなかで印刷物としての活字よりも、ディスプレイの文字に触れる機会や絶対量が増加してきています。印刷に比べて使用できるフォントが少なく、表現の範囲が限られているという理由により、これまでWebタイポグラフィが専門分野として注目される機会は多くありませんでした。昨今ではさまざまな領域でのデジタルトランスフォーメーションが加速しているように、デジタルデザインに関わるテクノロジーや理論も絶えず進化しています。本記事ではテクノロジーの進化とともに重要度が増していくデジタル時代におけるタイポグラフィタの歴史とその可能性についてご紹介します。
Design
クリエイティブとテクノロジーを繋ぐデザインプラットフォームFigma
印象的でシンプルな図形とカラフルな配色のメンフィススタイルのグラフィックが目を惹くインターフェースデザインツールFigma(フィグマ)は、デザイナーだけでなくプロダクトマネージャーやエンジニアなどにも幅広く利用され、独自の創発的なエコシステムを構築することで、ユーザー数を急拡大してきました。本記事執筆時点でのユーザー数は約400万人を超え、GoogleやMicrosoft、New York Timesなどの大手企業でも利用されており、2022年9月にはAdobeによる200億ドル(約2.9兆円)での巨額の買収提案を受け入れたことでも話題になりました。本記事では共同創業者であるディラン・フィールド最高経営責任者(CEO)とエヴァン・ウォレス兼最高技術責任者(CTO)が生み出したFigmaのこれまでの成長の背景と今後の可能性についてご紹介します。