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CD

継続的デリバリー(Continuous Delivery、CD)は、ソフトウェア開発のプロセスにおいて、コードの変更を迅速かつ安全に本番環境にリリースできるようにするプラクティスです。CDは、継続的インテグレーション(CI)と密接に関連しており、CIがコードの統合と自動テストを行う一方で、CDはそのコードを本番環境にデプロイするまでのプロセスを自動化します。この自動化により、ソフトウェアのリリース頻度を大幅に向上させると同時に、リリースプロセスの信頼性を高めます。 CDの基本的な考え方は、すべてのコード変更が常にデプロイ可能な状態に保たれるべきであるというものです。開発者がコードをリポジトリにコミットすると、CIがビルドとテストを行い、その後、CDパイプラインが自動的にステージング環境や本番環境にデプロイを進めます。これにより、リリース作業が手動で行われる場合に比べ、エラーが発生しにくくなり、リリースの速度と品質が向上します。 CDの大きな利点は、リリースサイクルの短縮です。従来の手動リリースプロセスでは、数週間から数ヶ月かかることもありましたが、CDを導入することで、リリースが数時間から数日で可能になります。これにより、企業は市場の変化や顧客のニーズに迅速に対応できるようになります。また、CDは小さな変更を頻繁にリリースすることを奨励し、これによりリスクを分散させ、大規模なリリースによる問題を軽減します。 実際の事例として、多くの大企業がCDを導入し、業務の効率化を図っています。たとえば、AmazonやNetflixなどの企業は、毎日のように小さなコード変更を本番環境にリリースしており、その迅速な対応力が競争力の源泉となっています。また、これらの企業では、自動化されたテストとデプロイメントのプロセスを組み合わせることで、サービスの信頼性を高めています。 しかし、CDには課題もあります。まず、CDの導入には初期設定や自動化ツールの選定が必要であり、そのためのリソースが必要です。また、自動化されたプロセスに依存するため、パイプラインの設計や管理に注意を払う必要があります。さらに、すべての変更が自動で本番環境にデプロイされるため、品質保証やセキュリティの観点からは慎重な監視が求められます。 CDは、アジャイル開発やDevOpsの実践と密接に関連しており、これらの手法と組み合わせることで、組織全体の開発プロセスをより効率的かつ効果的にすることができます。今後も、クラウドネイティブな環境やマイクロサービスアーキテクチャの普及に伴い、CDの重要性は増していくと予想されます。企業はCDを導入することで、ソフトウェアのリリース速度と品質を向上させ、ビジネスの俊敏性を高めることができるでしょう。

開発生産性ConferenceにCTO重岡正が登壇します

PRESS

開発生産性ConferenceにCTO重岡正が登壇します

開発生産性ConferenceにCTO重岡正が登壇します

GitLab – 「フルリモート」を競争優位とするコーポレートデザイン

Research

GitLab – 「フルリモート」を競争優位とするコーポレートデザイン

バージョン管理ツールやCI/CDなどモダンなソフトウェア開発に必要なDevOpsプラットフォーム「GitLab」を開発/提供する米国のテクノロジー企業GitLab Inc.(以下GitLab)は、世界で約2,000人の全社員がフルリモートで働く会社です。リモートワークはコロナ禍を契機に新しい働き方として市民権を得ました。しかし、コミュニケーションの断絶やマネジメントの難しさ、従業員のバーンアウト等の様々な課題があり、コロナウイルス感染拡大が落ち着きを見せた足元では、オフィス回帰を打ち出す企業も少なくありません。本記事では、GitLabのフルリモート・非同期での働き方を可能とするコーポレートデザインや運営手法にフォーカスを当ててご紹介し、次代の組織モデルや働き方に関するインサイトを得たいと思います。